大体、西洋音楽史の最初に出てくるのが古代ギリシャ音楽だ。その昔、授業中に音源を聴かせられた。その時に先生が言った言葉に衝撃を受けた。
「これが、ギリシャの音楽ですが、西洋音楽というよりはインド音楽に近いです。ヨーロッパの人たちは古代ギリシャの素晴らしい文明を、私たちが受け継いだ正当なものだと過去の栄光を横取りしてしまったんですね。」
こう、先生が言った。確かに、音楽自体はインド音楽のラーガのような音の羅列の印象だった。その時聞いた音楽を、西洋音楽かインド音楽かと聞かれたら「インドの音楽です!」と言いきれるほどインドだった。
これに、わたしは衝撃を受けた。
だが、それ以後そのようなことを耳にすることはなく、あれは幻だったのかと思うほどだ。
日本の固有の音階はせいぜい沖縄のものも合わせて3つくらいしかない。インドの音階であるラーガは確か、3万種類以上あるらしいが、全てを覚えられる人はいないらしい。ラーガは不思議な音階で、上から下に降りてきてまた中間くらいまで戻る音階だったと思う。いろいろな音階があるらしいので、その時たまたま聞いたのが戻ってくるものだったのかもしれない。
うろ覚えだが。そんな感じの音階を聞かされた気がする。
その他のインドについての知識はほとんどない。
カレーが、日本で言うところの味噌汁の立ち位置にあるということと、ボリウッドと呼ばれる映画産業がアツいことくらいしか知らない。初めてボリウッドの映画を見たのは小4の頃だ。これも、小学校の先生が授業で見せてくれた。
インドの映画は好きだ。最後に全員踊るから。ヒロインは全員ものすごい美人ばかりだが、ヒーローは大体かっこよくない。本当に、おっさんみたいな人が多い印象だ。
インドのアツい映画産業は、今はどうなってしまったのだろう?スマホの普及が進んだから、もうみんな映画を見に行かなくなってはいないだろうか?
あと、大切なことを忘れていた。カースト制度だ。
職業も、食べるものも制限されるらしい。階級は上下がはっきりしているが、上の階級より、下の階級の方が裕福なこともあるそうだ。
何年か前にテレビで見たが、違う階級の男女が結婚を許してもらえないため、自害するケースが多いという問題を取り上げられていた。とても悲しかった。
職業は世襲制だが、自分の職業より下に位置する職業になることは可能。
IT関連の仕事は最近できたばかりの職業のため、どんな身分の人でも参入できる。自分の家系が代々受け継ぐ職業を一新し、豊かになるチャンスが与えられたのだそうだ。
私には全然想像のつかない世界が、地球上にある。
良いとか悪いとか、言えない問題だ。人間の営みが紡ぎ出してきた歴史なのだから。ただ存在しているのだとしか私は言えない。
地理的に少し離れているが、古代ギリシャの音楽とインド音楽は繋がっているのだと思う。あの言葉が幻でなかったことを裏付けしたい。
気が向いた時にインドとギリシャの音楽における文献がないか探してみてはいるが、なかなか出てこない。面白い文献情報を持っている方、教えてください!
下層音楽家非同盟 いずみ